2011.
09.
25
今までの道のり・・・29
→建築職人「ガテンな衝撃」―①はこちらからどうぞ
私もすでにこっちの世界に来て長いですが、今までただの1度も
そのような下品なセリフを口にする親方さんにも職人にも
お目にかかったことは1度もありません。
(ただし、ガードマン仲間にはそういうのがいました。)
なので、ガードマン時代に関わった職人達が特別にそうだった。
という訳でもありません。
今冷静に考えてみれば、あの
「ヘラヘラと下品な上司連中。」
も、何か相当な仕事なり人間関係なり、
家庭でのストレスを抱えていたんだろう。
と、思います。
かなり良い大学も出ていて、学歴、教養もあり、
なおかつ仕事の場であのような言動をするのは
「自分よりも弱い立場の者に対する陰湿な攻撃。
ストレス発散。」
としか思えません。
ストレスが人間に与える影響がとても大きいのは
良くl理解できるのですが、
やはりどのように割り引いて考えても
今思い出してもゾっとします。
いずれにせよ、もうオフィス仕事にはこりごりしていたのと、
男から仕事のグチや不満話を聞かせれることに
もうんざりしていたので、
それがほとんど無い職場というのはとても気持ちが楽でした。
あのヘラヘラとした上司連中には本当に悩まされていたので、
「この人たちと彼らと、なんで違うんだろう?」
と、ふと考え込んでしまいました。
そしてある時、明確に、とまではいかないのですが、
その答えが何となくわかるような、、、。
ああ、そういうことなのか、、、と思うような、、、。
そんなできごとがあったのです。
ある土砂降りの雨の日でした。
工期の遅れのために工事は予定通りに始められ、
仲良しの土木の職人連中は皆、
ためらうこともなく次々と穴の中に降りてゆきました。
情け容赦もなく1日中激しい雨が降り続け、
穴の中に多量の水がどんどんと流れ込んでゆくのです。
水をくみ出す排水ポンプの機械音と激しい雨音とで、
怒鳴らないと隣に立っている監督とも
お互い何をしゃべっているのかほとんど
聞こえないような状況でした。
私は彼らの体が心配で、ただオロオロと
早く工事が終わることを願って
上で待つことしかできませんでした。
あたりは悪天候のために真っ暗で、
上からは彼らの姿もほとんど判別できず、
そして私の体もまたびしょぬれで、
ガチガチと寒さと不安で歯が鳴り続けていました。
そしてようやく終了のサイレンが鳴りわたり、
みんな無事に上がってきたのですが、、、
さぞかし疲れたろう、つらかっただろうと思って
タオルをたくさん持って行くと、、、。
私の心配なんぞどこ吹く風。
誰もがごく平然として、
泥まみれで目と歯だけが真っ白で、
お互い冗談と軽口を楽しそうにたたき合い、
「姉ちゃん、寄るなよ。姉ちゃんの服が汚れるぞ。」
と、ニコニコと笑顔で、
無事に仕事が終わったこと、やりとげたこと。
今日1日の仕事を無事に終わらせた安堵と喜びと誇りに満ちて
誰の顔もイキイキと輝いているのです。
ホッと安心した気持ちと拍子抜けと、
彼らにつられて私もまた、
一緒に軽口をたたいて大笑いをしてしまいました。
彼らは強い、、、!
そして「男としての生命力」がある。
なまじの精神的ストレスなど
ねじ込んでしまうほどの相当な量の、
しかも過酷な仕事を肉体を駆使して日々、
ごく当たり前のようにこなしている、、、。
何とも表現がむずかしいのですが、、、。
そんな感じのことを強く思いました。
つまり、、、彼らの姿と仕事ぶりに、
男が仕事をしている時の姿に
私はすっかりと「感動」してしまったのです。
そんな感覚は後にも先にも全く初めての経験でした。
それと同時に、毎日毎日男ばかりの職場の中で、
彼らがいかに妻子のために、
守るべき大事な者たちのために
汗水を流して働いているか。
汗にまみれ、ドロにまみれ、雨に打たれて
懸命に働いているか―。
という姿を、現実をまざまざと目の当たりにして、、、。
「男」というものに対して目からウロコが落ちたのです。
ハンマーパンチをくらったような3度目の留めの衝撃でした。
ウロコが落ちると同時に
いかに自分が男に対して、夫に対して、
なんという高飛車な高慢な態度の女であったのか―。
自分の夫に対してなんて生意気な、
敬意を持っていない女だったか―。
どれほど夫は私に幻滅しただろう?
失望したのだろう?
だからああして出て行ってしまったのだ―。
ということを改めて思い知らされました。
「ああ、私は間違っていた、、、。
男の人って何てすごいんやろう !
何て偉いんやろう、、、!
できることなら夫にあやまりたい。
あやまって許してもらいたい。
額をこすりつけてでもあやまって、
今度だけは何としても許してもらいたい―。」
心の底からそう願ったんです。
つづく
→建築職人「ガテンな衝撃」―①はこちらからどうぞ
私もすでにこっちの世界に来て長いですが、今までただの1度も
そのような下品なセリフを口にする親方さんにも職人にも
お目にかかったことは1度もありません。
(ただし、ガードマン仲間にはそういうのがいました。)
なので、ガードマン時代に関わった職人達が特別にそうだった。
という訳でもありません。
今冷静に考えてみれば、あの
「ヘラヘラと下品な上司連中。」
も、何か相当な仕事なり人間関係なり、
家庭でのストレスを抱えていたんだろう。
と、思います。
かなり良い大学も出ていて、学歴、教養もあり、
なおかつ仕事の場であのような言動をするのは
「自分よりも弱い立場の者に対する陰湿な攻撃。
ストレス発散。」
としか思えません。
ストレスが人間に与える影響がとても大きいのは
良くl理解できるのですが、
やはりどのように割り引いて考えても
今思い出してもゾっとします。
いずれにせよ、もうオフィス仕事にはこりごりしていたのと、
男から仕事のグチや不満話を聞かせれることに
もうんざりしていたので、
それがほとんど無い職場というのはとても気持ちが楽でした。
あのヘラヘラとした上司連中には本当に悩まされていたので、
「この人たちと彼らと、なんで違うんだろう?」
と、ふと考え込んでしまいました。
そしてある時、明確に、とまではいかないのですが、
その答えが何となくわかるような、、、。
ああ、そういうことなのか、、、と思うような、、、。
そんなできごとがあったのです。
ある土砂降りの雨の日でした。
工期の遅れのために工事は予定通りに始められ、
仲良しの土木の職人連中は皆、
ためらうこともなく次々と穴の中に降りてゆきました。
情け容赦もなく1日中激しい雨が降り続け、
穴の中に多量の水がどんどんと流れ込んでゆくのです。
水をくみ出す排水ポンプの機械音と激しい雨音とで、
怒鳴らないと隣に立っている監督とも
お互い何をしゃべっているのかほとんど
聞こえないような状況でした。
私は彼らの体が心配で、ただオロオロと
早く工事が終わることを願って
上で待つことしかできませんでした。
あたりは悪天候のために真っ暗で、
上からは彼らの姿もほとんど判別できず、
そして私の体もまたびしょぬれで、
ガチガチと寒さと不安で歯が鳴り続けていました。
そしてようやく終了のサイレンが鳴りわたり、
みんな無事に上がってきたのですが、、、
さぞかし疲れたろう、つらかっただろうと思って
タオルをたくさん持って行くと、、、。
私の心配なんぞどこ吹く風。
誰もがごく平然として、
泥まみれで目と歯だけが真っ白で、
お互い冗談と軽口を楽しそうにたたき合い、
「姉ちゃん、寄るなよ。姉ちゃんの服が汚れるぞ。」
と、ニコニコと笑顔で、
無事に仕事が終わったこと、やりとげたこと。
今日1日の仕事を無事に終わらせた安堵と喜びと誇りに満ちて
誰の顔もイキイキと輝いているのです。
ホッと安心した気持ちと拍子抜けと、
彼らにつられて私もまた、
一緒に軽口をたたいて大笑いをしてしまいました。
彼らは強い、、、!
そして「男としての生命力」がある。
なまじの精神的ストレスなど
ねじ込んでしまうほどの相当な量の、
しかも過酷な仕事を肉体を駆使して日々、
ごく当たり前のようにこなしている、、、。
何とも表現がむずかしいのですが、、、。
そんな感じのことを強く思いました。
つまり、、、彼らの姿と仕事ぶりに、
男が仕事をしている時の姿に
私はすっかりと「感動」してしまったのです。
そんな感覚は後にも先にも全く初めての経験でした。
それと同時に、毎日毎日男ばかりの職場の中で、
彼らがいかに妻子のために、
守るべき大事な者たちのために
汗水を流して働いているか。
汗にまみれ、ドロにまみれ、雨に打たれて
懸命に働いているか―。
という姿を、現実をまざまざと目の当たりにして、、、。
「男」というものに対して目からウロコが落ちたのです。
ハンマーパンチをくらったような3度目の留めの衝撃でした。
ウロコが落ちると同時に
いかに自分が男に対して、夫に対して、
なんという高飛車な高慢な態度の女であったのか―。
自分の夫に対してなんて生意気な、
敬意を持っていない女だったか―。
どれほど夫は私に幻滅しただろう?
失望したのだろう?
だからああして出て行ってしまったのだ―。
ということを改めて思い知らされました。
「ああ、私は間違っていた、、、。
男の人って何てすごいんやろう !
何て偉いんやろう、、、!
できることなら夫にあやまりたい。
あやまって許してもらいたい。
額をこすりつけてでもあやまって、
今度だけは何としても許してもらいたい―。」
心の底からそう願ったんです。
つづく
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2011.
09.
25
今までの道のり・・・28
そして彼らは作業途中の休み時間などには
仕事の話、現場の段取りの話、道具のこと、工具のこと、
自分の仕事の腕のこと、先輩の仕事の腕のこと、
ひとくさり話をしてまたしても道具のこと、
工具のこと、仕事のこと、、、。
などをお互い顔を輝かせてしゃべるのです。
ホワイトカラーの世界にいた時とはずいぶんと
様子が違っているのです。
まず第一に仕事に関しての
「うだうだ話やグチグチ話。」
が、ほとんど聞こえてこない、、、。
「この人たちは今まで私の知っている男たちとは
なんか違うゾ、、、?」
そして「ガテンな男たち」は仕事が終わり、
持ち場から離れるやいなや、
どことなくシャイでやさしくおとなしく、物静かで口ベタで、
ぶっきらぼうでいながらそれでいて、
実に細やかな気遣いができる、、、。
女性は私だけだったためか、トイレのことや着替えの場所や、
(月に1度、彼らが使う仮設とは別の、はるか遠くのトイレまで
行っていたので、、、。)
気がつけば誰かがカーテンを用意してくれていたり、
どこからか小さな自転車を用意してくれていたり、、、。
そして何よりも私を驚愕させたのは、ただの1度も
「セクハラまがいのことをする男が誰1人としていない。」
という事実でした。
私にはそのことが実に新鮮な驚きだったのです。
何故ならばOL時代、私はもちろん仲間のOLたちも
職場でおぞましいセクハラをしょっちゅう受けていたからです。
というのはこの時代、まだまだ働く女性の立場は弱く、低く、
「男女雇用機会均等法」など影も形もありません。
「言葉のセクハラ。」は、あって当然。
「体へのセクハラ。」まで、、、。
とくにお酒が入るともう、彼らはやりたい放題。
まだまだそんな時代だったのです。
今の若い女性社員たちならばとっくにケリを100発ぐらい
入れていると思います。(笑)
もしくは親睦会などのお酒に誘われたとしても断固、
きっぱりと断るでしょう。
特に26-27才をすぎた頃からそれらは益々ひどくなってゆき、
面と向かって、「嫁に行き遅れ」だの「もうオバサン」だの、
胸が小さいとか大きいとか、足首が細いとか太いとか。
持っているカバンや靴や服の趣味のことに至るまで
真昼間の職場で平気で言ってのける。
ヘタに言い返すと、
「うわあ女も年取ると怖いねえ。 怖い怖い。」
などと、まだ35才にもなっていない超ベテランの
我々の大先輩に向かってほざく始まつ。
ヘラヘラと笑いながら冗談まじりに言う上司たちには
私達OL仲間は皆、つくづくと閉口させられたものでした。
会社は2社変りましたがどちらも同じ、
対して変りはなかったです。
一応どちらも「1部上場会社」です。
学生時代の同期の友人たちも皆このような経験は似たりよったり。
もちろんそうではない紳士的な人たちの方がほとんどなのですが、
必ず2人、3人はそんな輩の上司がどこの職場にも存在している、、、。
そのような時代だったのです。
職場での私達OL仲間は、もう、
「男とはそういうもの。」
とあきらめの気持ちの方が強くて、如何にうまく彼らをかわすか
避けるか陰でいじわるをしてやるか、程度のことでハラの虫を
何とかおさめておく、、、。
そんな感じでした。
ところがこっちの世界に来て、
それが全く皆無。
こんなに男ばっかりなのに1人としていない、、、。
なぜ?
2度目の衝撃だったのです、、、。 つづく
そして彼らは作業途中の休み時間などには
仕事の話、現場の段取りの話、道具のこと、工具のこと、
自分の仕事の腕のこと、先輩の仕事の腕のこと、
ひとくさり話をしてまたしても道具のこと、
工具のこと、仕事のこと、、、。
などをお互い顔を輝かせてしゃべるのです。
ホワイトカラーの世界にいた時とはずいぶんと
様子が違っているのです。
まず第一に仕事に関しての
「うだうだ話やグチグチ話。」
が、ほとんど聞こえてこない、、、。
「この人たちは今まで私の知っている男たちとは
なんか違うゾ、、、?」
そして「ガテンな男たち」は仕事が終わり、
持ち場から離れるやいなや、
どことなくシャイでやさしくおとなしく、物静かで口ベタで、
ぶっきらぼうでいながらそれでいて、
実に細やかな気遣いができる、、、。
女性は私だけだったためか、トイレのことや着替えの場所や、
(月に1度、彼らが使う仮設とは別の、はるか遠くのトイレまで
行っていたので、、、。)
気がつけば誰かがカーテンを用意してくれていたり、
どこからか小さな自転車を用意してくれていたり、、、。
そして何よりも私を驚愕させたのは、ただの1度も
「セクハラまがいのことをする男が誰1人としていない。」
という事実でした。
私にはそのことが実に新鮮な驚きだったのです。
何故ならばOL時代、私はもちろん仲間のOLたちも
職場でおぞましいセクハラをしょっちゅう受けていたからです。
というのはこの時代、まだまだ働く女性の立場は弱く、低く、
「男女雇用機会均等法」など影も形もありません。
「言葉のセクハラ。」は、あって当然。
「体へのセクハラ。」まで、、、。
とくにお酒が入るともう、彼らはやりたい放題。
まだまだそんな時代だったのです。
今の若い女性社員たちならばとっくにケリを100発ぐらい
入れていると思います。(笑)
もしくは親睦会などのお酒に誘われたとしても断固、
きっぱりと断るでしょう。
特に26-27才をすぎた頃からそれらは益々ひどくなってゆき、
面と向かって、「嫁に行き遅れ」だの「もうオバサン」だの、
胸が小さいとか大きいとか、足首が細いとか太いとか。
持っているカバンや靴や服の趣味のことに至るまで
真昼間の職場で平気で言ってのける。
ヘタに言い返すと、
「うわあ女も年取ると怖いねえ。 怖い怖い。」
などと、まだ35才にもなっていない超ベテランの
我々の大先輩に向かってほざく始まつ。
ヘラヘラと笑いながら冗談まじりに言う上司たちには
私達OL仲間は皆、つくづくと閉口させられたものでした。
会社は2社変りましたがどちらも同じ、
対して変りはなかったです。
一応どちらも「1部上場会社」です。
学生時代の同期の友人たちも皆このような経験は似たりよったり。
もちろんそうではない紳士的な人たちの方がほとんどなのですが、
必ず2人、3人はそんな輩の上司がどこの職場にも存在している、、、。
そのような時代だったのです。
職場での私達OL仲間は、もう、
「男とはそういうもの。」
とあきらめの気持ちの方が強くて、如何にうまく彼らをかわすか
避けるか陰でいじわるをしてやるか、程度のことでハラの虫を
何とかおさめておく、、、。
そんな感じでした。
ところがこっちの世界に来て、
それが全く皆無。
こんなに男ばっかりなのに1人としていない、、、。
なぜ?
2度目の衝撃だったのです、、、。 つづく
2011.
09.
24
今までの道のり・・・27
道路工事の他に建築現場も地下鉄工事もやりましたが、
職場は私を除いて全て「職人さん」です。
「ガテンな男たち。」でした。
大きな現場では実に100人以上の職人達が働いていました。
掘削業者、薬液業者、矢板業者、鉄筋工、鉄骨トビ、はつり工、
仮枠大工、生コン業者、各種器械工、オペレーター、、、。
全て男ばかり、職人ばかりのガテンの世界です。
建築の世界の職人仕事も大きく「土木」と「建築」に別れますが、
私は特に「土木工事」の職人たちと、とても仲が良かったのです。
「土工さん」と呼ばれる応援の人員の手が足りない時には
及ばすながら、私にも一緒に仕事の手伝いをさせてもらいました。
もちろん大したことは何もできなかったのですが、、、。
「建築現場」は道路工事とは違い、車両搬入の全然ない時は
ガードマンはけっこうひまなのです。(笑)
ゼネコンの監督たちはたいがい皆若くて、
熟練の親方さんたちには頭が上がらず、
現場での技術的なことに関しては親方さんたちの
鶴の一声の方が大きかったように思います。
(これらの職人さんは皆「大手ゼネコンの下請け」で、その苦悩も
目の当たりにしましたが、また章を変えてお話させて下さい、、、。)
特に親しかった、少し年下のユンボのオペをしていた、あだ名が
「ミッキーさん。」
という職人は特に印象深く、
(見た目の感じが何となくミッキーマウスに似ていた。)
後輩を良くかわいがり面倒見が良く、
異業種の職人さんの間でも兄貴分でとても慕われており、
私は年上だったので 「姉ちゃん、姉ちゃん。」
と、慕ってくれていました。
うっとりとするような抜群の美声の持ち主で、
趣味として仲間とライブハウスで
ミニコンサートを良くやっていて、
ホントになつかしく思い出してしまいます。
丁度その頃私は31才か32才ごろだったでしょうか?
年下の職人は慕ってくれるし親方さん達はかわいがって
くれるしで、、、(笑)。
(何せ女は私1人だけですから、、、。)
過去に経験してきた職場の中で、もっとも人間関係としては
天国の心地(笑)、でした。
それにしても、
「職人さんって職場で付き合って一緒に仕事して、
何でこうも気持ちが楽なんやろう? 楽しいんやろう? 」
初めは漠然とそう感じました。
過去に職場の中で「ホワイトカラーの男達」とは
実にたくさん関わってきたのですが、、、。
女だてらに生意気な言い方で申し訳ないのですが、、、。
本音を白状してしまえばこの時点までは、
父を除いて1度として男の人を心底
「尊敬する。」
という気持ちを感じたことがなかったのです、、、。
独身のころ、上司、同僚たちにアフターファイブに
飲みにさそわれても、彼らから出てくる話は
仕事のグチか不満か、上司の悪口かあげつらいか、
仲間同士の足の引っ張り合いか慣れ合いか、、、。
たいがいそんな話しか出てこない、、、。
そのときは誰1人としてイキイキと楽しそうに仕事の話、
将来の話などをする人はいませんでした。
そんな話をいくら聞かされてもこちらも楽しいはずもなく、
「この人たちは何がこれほど不満なんやろう?
なんでこれ程おもしろくないんやろう?」
同じ職場で長年毎日一緒に仕事をしていても、
どう見ても
「やりがいありそう。 楽しそう。」
には見えない。
「男の世界」というものの実際をほとんど知らなかったので、
その頃の私にはその理由がわかりませんでした。
ただ「上司」に関しては私たちOL達もまた、
「あること。」で、イヤというほど頭を悩ませていたので
これでもか、という位
さんざん彼らの悪口を言っていました。(笑)
いずれにせよ若い頃から多分相当
「小生意気な女。」 だった私は、男を尊敬する、
という気持ちなんぞ薬にするほどのカケラもないような
女だったのですが、、、。(笑)
ところがもう、そばに行くのも怖いような、
とてつもなく大きな鉄材や
石材、相当な重量のある材料や機械、
工具などをいとも易々と平然と扱い、
真夏の炎天下の中で全身汗にまみれ、ドロにまみれ、
黙々と現場仕事をする男達の仕事ぶりを目の当たりにして、
生まれて初めて、
「うーん。 男の人ってすごい、、、!
我々女には絶対に逆立ちしてもマネができない。
いっくらえらそうに思っていても、やっぱり女は男より下や。
男の方がはるかに偉い、、、。」
まず最初にそのことを頭をガツン、と殴られたように
思い知らされました。
最初の衝撃でした。
つづく
道路工事の他に建築現場も地下鉄工事もやりましたが、
職場は私を除いて全て「職人さん」です。
「ガテンな男たち。」でした。
大きな現場では実に100人以上の職人達が働いていました。
掘削業者、薬液業者、矢板業者、鉄筋工、鉄骨トビ、はつり工、
仮枠大工、生コン業者、各種器械工、オペレーター、、、。
全て男ばかり、職人ばかりのガテンの世界です。
建築の世界の職人仕事も大きく「土木」と「建築」に別れますが、
私は特に「土木工事」の職人たちと、とても仲が良かったのです。
「土工さん」と呼ばれる応援の人員の手が足りない時には
及ばすながら、私にも一緒に仕事の手伝いをさせてもらいました。
もちろん大したことは何もできなかったのですが、、、。
「建築現場」は道路工事とは違い、車両搬入の全然ない時は
ガードマンはけっこうひまなのです。(笑)
ゼネコンの監督たちはたいがい皆若くて、
熟練の親方さんたちには頭が上がらず、
現場での技術的なことに関しては親方さんたちの
鶴の一声の方が大きかったように思います。
(これらの職人さんは皆「大手ゼネコンの下請け」で、その苦悩も
目の当たりにしましたが、また章を変えてお話させて下さい、、、。)
特に親しかった、少し年下のユンボのオペをしていた、あだ名が
「ミッキーさん。」
という職人は特に印象深く、
(見た目の感じが何となくミッキーマウスに似ていた。)
後輩を良くかわいがり面倒見が良く、
異業種の職人さんの間でも兄貴分でとても慕われており、
私は年上だったので 「姉ちゃん、姉ちゃん。」
と、慕ってくれていました。
うっとりとするような抜群の美声の持ち主で、
趣味として仲間とライブハウスで
ミニコンサートを良くやっていて、
ホントになつかしく思い出してしまいます。
丁度その頃私は31才か32才ごろだったでしょうか?
年下の職人は慕ってくれるし親方さん達はかわいがって
くれるしで、、、(笑)。
(何せ女は私1人だけですから、、、。)
過去に経験してきた職場の中で、もっとも人間関係としては
天国の心地(笑)、でした。
それにしても、
「職人さんって職場で付き合って一緒に仕事して、
何でこうも気持ちが楽なんやろう? 楽しいんやろう? 」
初めは漠然とそう感じました。
過去に職場の中で「ホワイトカラーの男達」とは
実にたくさん関わってきたのですが、、、。
女だてらに生意気な言い方で申し訳ないのですが、、、。
本音を白状してしまえばこの時点までは、
父を除いて1度として男の人を心底
「尊敬する。」
という気持ちを感じたことがなかったのです、、、。
独身のころ、上司、同僚たちにアフターファイブに
飲みにさそわれても、彼らから出てくる話は
仕事のグチか不満か、上司の悪口かあげつらいか、
仲間同士の足の引っ張り合いか慣れ合いか、、、。
たいがいそんな話しか出てこない、、、。
そのときは誰1人としてイキイキと楽しそうに仕事の話、
将来の話などをする人はいませんでした。
そんな話をいくら聞かされてもこちらも楽しいはずもなく、
「この人たちは何がこれほど不満なんやろう?
なんでこれ程おもしろくないんやろう?」
同じ職場で長年毎日一緒に仕事をしていても、
どう見ても
「やりがいありそう。 楽しそう。」
には見えない。
「男の世界」というものの実際をほとんど知らなかったので、
その頃の私にはその理由がわかりませんでした。
ただ「上司」に関しては私たちOL達もまた、
「あること。」で、イヤというほど頭を悩ませていたので
これでもか、という位
さんざん彼らの悪口を言っていました。(笑)
いずれにせよ若い頃から多分相当
「小生意気な女。」 だった私は、男を尊敬する、
という気持ちなんぞ薬にするほどのカケラもないような
女だったのですが、、、。(笑)
ところがもう、そばに行くのも怖いような、
とてつもなく大きな鉄材や
石材、相当な重量のある材料や機械、
工具などをいとも易々と平然と扱い、
真夏の炎天下の中で全身汗にまみれ、ドロにまみれ、
黙々と現場仕事をする男達の仕事ぶりを目の当たりにして、
生まれて初めて、
「うーん。 男の人ってすごい、、、!
我々女には絶対に逆立ちしてもマネができない。
いっくらえらそうに思っていても、やっぱり女は男より下や。
男の方がはるかに偉い、、、。」
まず最初にそのことを頭をガツン、と殴られたように
思い知らされました。
最初の衝撃でした。
つづく